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鎌倉に根ざして

将星国際特許事務所:鎌倉に根ざして 弁理士 渡部仁

― 将星国際特許事務所 弁理士 渡部仁 ―
「TACNEWS」2013年3月号より

INDEX
  • 鎌倉に転居し、独立開業へ
  • 知財で鎌倉ブランドを守る
  • 商標は知財の入口
  • 地方で活躍する弁理士のあり方

鎌倉に転居し、独立開業へ

独立開業までの経緯を教えてください。

渡部新卒で入社した大手特許事務所を13年勤務した後に独立しています。
その頃の事務所は総勢60人もの大所帯となり、お客様も大手企業が中心でした。
「自分が本当にお手伝いしたいのは、大手よりも困っている中小企業。
これからは中小企業の力になっていきたい」という思いに背中を押され、独立開業しました。

開業の際、鎌倉に事務所を構えたのには何か理由があるのですか。

渡部実は幼い頃、仲の良い従兄弟が鎌倉に住んでいました。
よく遊びに行っては、野山を駆け巡ったものです。
それがきっかけで鎌倉という自然に囲まれた美しい土地に魅了され、人生のどこかで一度は鎌倉に住むのが夢になりました。
結婚するとき、妻に「鎌倉に住みたい」と話したら「いいね」といってくれたので、鎌倉に転居したのです。

もう一つは、自分が今まで蓄積してきた知識や経験を鎌倉の活性化に活かしたいという思いがありました。
実際に鎌倉で開業してみると、弁理士は数人しかいません。
それも大手企業を対象とした事務所で、いわゆる観光地である地元・鎌倉を商圏と見てカバーしている特許事務所はなかったのです。
ところが鎌倉の地元企業の実態を見てみると、ほとんどが小売店や中小企業です。
そんな小さなお店や企業が「鎌倉」という大きなブランドを守ろうとしている。
「何か力になれることがあるのではないか。『知財』という側面から鎌倉を下支えできないか」という気持ちで、2009年1月、鎌倉での開業に踏み切りました。

知財で鎌倉ブランドを守る

鎌倉の活性化のために、どのようなことを始められましたか。

弁理士 渡部仁

渡部まずは地元の団体にいって相談員をやらせていただけないかを相談しました。
当時は別の弁理士の先生がいらして最初は断られたのですが、少しずつ担当の機会をいただくようになりました。
その後、交替して現在では私が全面的に受け持つようになっています。
こうしたかたちで地元での足固めをしていきながら、人脈を作り、仕事の幅を拡げていきました。

もう一つは、開業間もなくして、鎌倉では比較的大きい企業の社長さんと意気投合し、お手伝いするようになったことです。
具体的な悩みをお持ちで、解決すべきことがたくさんあるお客様で、2年目、3年目には「自分のやりたかったのはまさにこういう仕事なんだ」と感じるようになりました。
そこからいろいろなご紹介を受け、良い循環が生まれてきました。

現在は、どのような業務が多いのでしょう。

渡部商標の仕事が多いですね。
私が開業した頃、ご自分のお店の名前や商品の名前を商標登録で保護できることすらご存じなく、保護しなければ名前が使えなくなるリスクがあることをわかっていらっしゃらない方がたくさんいらしたのです。

そこで知財の話をして「お使いの社名や商品名を商標登録して権利化することが大切」という意識を持っていただくことからスタートしました。
それが私の提案する「鎌倉ブランディングサイクル」に結び付いています。

「鎌倉ブランディングサイクル」とはどのような内容ですか。

渡部鎌倉の活性化のために、きちんと自社の商標権を取得するとともに、その商品・サービスを育てることで、鎌倉ブランドも育っていくサイクルを作り上げようというものです。

実際には、知財の大切さをご理解いただけたところから商標登録を行っていくのですが、今まで手つかずだったために困難が伴うことも多々あります。
これまで何十年も販売してきた商品名を商標登録しようとしても、既に他人が似たような商標を登録しているケースもあり、ストレートにいかないことがあります。
一度出願して拒絶理由通知が来たとしても、それまで何十年もその商品名で販売していますから今さら名前を変えるわけにはいきません。
「何としても権利化して欲しい」となるのです。

何十年も販売していて、地域で商品名が浸透していても困難な場合があるのですね。

渡部そうですね。
鎌倉で非常に名が知られている人気商品があり、その商標を取ろうとしたら既に似たような商標が登録されていたことがありました。
「法律上の判断では、これを通すのはかなり厳しい事案です」とお伝えすると、「これはうちの看板商品なので、名前は絶対に変えられない。
最後まで徹底的にやってみたい」といわれました。
そこから徹底的に調べ上げ、200ページにも及ぶ証拠を集めました。
自分の経験や知識で提出して欲しい資料を頼んだり、国会図書館に行って調べたりした結果、その商品の商標は審判で何とか取得することができました。

証拠とは具体的にどのようなものですか。

渡部証拠は「商標を長く使っていてお客様からこれだけの信用が蓄積されている」ことを特許庁に伝えるもので、そのための資料は、基本的には売上データになります。
ただ、きちんとデータ化されている企業もあれば、伝票のままという企業もあります。
段ボール数箱分の伝票を集計して証拠として提出するのですが、集計している段階では100%商標が取れるとは限らないわけです。
やらなければいけない作業が膨大で、このままでは通らないんじゃないか、と心が折れそうにもなることもありました。
それでもお客様が諦めないのなら、代理人である弁理士が諦めてはいけないと、最善の努力を続けるわけです。
権利化のために地道なことから本当にいろいろなことをやっていますが、それがやりがいにもつながっているのです。

商標は知財の入口

知財の世界で、大手企業と中小企業を対象にしたときの違いはどこにありますか。

弁理士 渡部仁

渡部大手企業の場合は社内で問題をきちんと洗い出し、仕事のかたちにして弁理士に依頼するという構図ですが、中小企業の場合は問題自体を把握できていません。
弁理士が相談を受けてから問題を掘り起こし、「このような知財のリスクがあります」と提示して、「こんなお手伝いができます」と提案します。
ご理解いただけたお客様には、特許や商標の出願を行い、権利化やブランドを守るステップに進みます。
その意識付けというのは本当に時間がかかるものです。
それでもコツコツやっていけばきちんと理解を示してくださる方が徐々に現れてきて、その方たちが成功していけば、「あそこがやっているんだったらうちもやろう」という意識が生まれてくる。
その循環の中で仕事していく点が、大手企業と中小企業を対象に仕事していくときの大きな違いだと思います。

現在、渡部先生が扱っている案件の比率と業務の進め方についてお聞かせいただけますか。

渡部ボリュームで分けると商標7割、特許2割、残りは著作権や意匠、その他契約業務です。
やはり鎌倉は小売店が多く、ブランドを収益にして事業をされている方が多いので商標が多くなりますね。

知財の世界を知るには、商標はコストもそれほどかからず、目に見えるものをきちんと守るというプロセスがあるので一番入りやすいと思います。
商品名などをきちんと商標登録してブランドを育て、それが収益に結びつく。
ブランド化が収益に結びつくことをご理解いただけたら、次は特許という観点もとお話ししていきます。

商標の場合、具体的にはどのような進め方をされるのですか。

渡部商標は事業に密接していますから、事業内容を正確に知らないままでは出願できません。
どんな小さな企業でも、まずはその企業の事業を理解するところからスタートして、知財のリスクがある部分を分析し、商標がカバーすべき現在の範囲、そして将来的に派生していくであろう範囲までを予測して、「こういうところまできちんと取っておいた方が良いですね」と提案をしていきます。

お客様にしても、商標は知財の入口なのでよく相談に来られます。
つまり困ったことがあるとすぐに相談したいというニーズですから、地元の先生に依頼するケースが多くなり、私のような地域密着型の弁理士が求められると思います。

特許の出願についてはいかがでしょうか。

渡部特許に関しては、ホームページを見て全国からご依頼をいただいています。
私の事務所の場合、大手特許事務所が持つ規模感はありませんが、必ず私が相談窓口に立つ安心感があると思います。

というのも、中小企業の場合、大手企業と特許戦略がまったく違います。
大手企業は一つの製品でたくさんの特許を取り、数で特許網を作るイメージですが、中小企業の場合、大手企業がやらない市場を見つけ、そのニッチな市場を一気に囲い込める特許を一本で取る戦略です。
この一本の特許に命を懸けますから、徹底的に下調べをして、弁理士がどういうスキルを持っているのか把握してから相談に来られることが多いですね。
大手特許事務所に依頼した場合、どんな弁理士が担当するかわからない、担当者が自社の技術分野の専門家でなかったときのリスクを考慮する、とお聞きしています。
特許の場合は、手続のやり直しができず、非常にコストもかさむので、弁理士選びで間違ってしまうと自社の利益・存続に関わります。
ですから地方から足を運ぶぐらいの労を厭わない方が全国にいらして、かなり遠方からもご依頼いただいていますね。

企業が特許事務所を選ぶポイントはどこですか。

渡部特許の場合は技術分野のマッチングが影響します。
ITであればITに精通している弁理士に頼まなければ特許になるものもなりません。
まず、このマッチングを間違えるとスタートを切れません。
ですから弁理士を探すときに、最低限自分の持っているバックグラウンドと同じレベルの技術と知識を持った弁理士を見つけなければなりません。

ただし、そう簡単には見つかりませんし、判断もできないので、皆さん、口コミや人づてに評判や実績を聞いたり、ホームページで調べたりして、来られるのです。

地方で活躍する弁理士のあり方

地方に弁理士が少ないのは知財の需要がないからと考えて良いのでしょうか。

弁理士 渡部仁

渡部単に弁理士の分布を見て、それがニーズ、市場の分布とイコールだと思うのは絶対に間違いです。
少ないからニーズがないということではありません。
単に今まで弁理士が大勢いるかいないかにとらわれずに、地元やその地域に目を向けていただいたほうが発展的だと思います。

日本はもともと石油や鉱物等、資源の少ない国です。
資源がないからこそ、加工技術やブランドで今後の国際競争力を高めていく必要があります。
となれば知財は日本にとって不可欠な要素です。
そう考えれば、日本を活性化する一つのルートとして知財は重要ですし、どこの地方、地域にも必要なものだと思います。

地方で活躍していく方向性は、今後の一つの弁理士のあり方になると思われますか。

渡部そう思います。
自分で問題を掘り起こして提案し、それをきちんと解決していくというのは非常にやりがいを感じられますし、やったことがきちんと成果に結びつけば、それは本当に自分が社会貢献したという誇り高い気持ちになると思います。

ニーズとして考えても、先ほどお話ししたように地方には知財のリスクがあることを意識していない方がとても大勢いるので、潜在的にたくさんあると思います。

地方には、知財のニーズが埋れているということですね。

渡部間違いなく地方にはそうしたニーズがあると思います。

例えば、2006年から各地域の町おこしのための「地域団体商標制度」が導入されました。
特許庁のホームページにその一覧が掲載されていますが、どの地域でどういう商標が取られているのかを見るだけでも、明らかにニーズがあるのがわかると思います。

どの地域も、みな町おこしをしたいんです。
地元ブランドを大きく育てて、観光客を呼び込み、収益を上げたいと思っています。
けれども、そのプロセスが思いつかない。
いろいろな取り組みをされていますが、そのプロセスの一つに知財があるんです。
知財をベースに収益を上げられるサイクルをきちんと回してあげるには、弁理士の知識と経験が必要なのです。

今後、弁理士に期待されるのは、どのようなことでしょう。

渡部知財の業界では権利化することが一つの目的になってしまうのですが、少し広い視点で考えると、知財をきちんと事業収益に結びつけるサイクルを見つけ出すことが、弁理士に期待されているニーズなのではないかと思います。

権利化することは、弁理士の専門性を活かすことなのでしっかりやる。
しかし、それで終わりではないんです。
長いお付き合いの中できちんと商標やブランドが機能するように、ブランドからきちんとした利益が生み出せるようなメンテナンスをしたり、アドバイスをしたり、次の手を考えたりすることが、私の現在のスタイルになっています。

渡部先生の今後の展開についてお聞かせください。

渡部今後も、引き続き地元鎌倉に根ざし、地元企業の力になりたいと思っています。
それを実行する上で重要なのは、私自身がお客様のことをきちんと理解するということ。
自分が前面に立ち、窓口となってお客様のニーズや困っていることを聞いていくスタンスは崩さないよう、肝に銘じています。

弁理士 渡部仁

※ 将星国際特許事務所 弁理士 渡部仁
※ 取材日時:2012年12月13日
※ 取材制作:TAC株式会社
※ 引用記事:「TACNEWS」2013年3月号「地域に根ざし、老舗ブランドを守る」
※ 本文中の情報はいずれも取材時のものです。

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